よりよいカスタマージャーニーを作るために!クラスタリングから顧客ペルソナを導き出す。

読了時間:10分~15分

こんなお困りをお持ちのご担当者様へ
・カスタマージャーニーという言葉は知っているが、必要性がいまいち分からない
・カスタマージャーニーのペルソナを1つに絞り切れない

この記事を読んで知れること
・カスタマージャーニーを作る上で重要なペルソナについて
・競合や他サービスの中から選んでもらうためのカスタマージャーニーの考え方


目次


こんにちは。
UNCOVER TRUTHの石川です。

前回は、CRMとクラスタリングについてお話しました。

データ分析から同じような塊を分類していくことをクラスタリングと呼びますが、そのクラスタリングにより、どのような顧客群がいるのか?がわかったら、次はその顧客群からペルソナを作成していきます。

そしてその顧客は、どこで企業や商品・サービスを知って、どのように思って、どんな接触の経緯で最終的な意思決定をしてくれるのか?を考えて可視化することが、カスタマージャーニーとなります。

今回はペルソナとカスタマージャーニーについて少し触れたいと思います。

1:カスタマージャーニーとは?

ある顧客(ペルソナ)が企業や商品・サービスを知ってから、購買に至るまでの

  • 行動
  • 接触ポイント
  • 思考・感情の態度変容
  • 意思決定

等のプロセスを図式化して表したものです。

2:カスタマージャーニーが必要な理由

顧客が、企業や製品・サービスに触れる場所・タイミングが多様化してきたのが、大きな要因です。

顧客が使用するデバイスは多岐に渡り、デバイスを使用するタイミングも24時間いつでも可能な状態です。さらに言えば、その使用目的は人によって様々です。

つまり、情報取得やなんらかの行動をするのに、時間、場所、使い方に制限がないので、顧客の動きをある程度可視化しながら施策を考えなければならないという現状があります。

3:カスタマージャーニーを使うメリット

  • 顧客は自分に合った情報が取りやすくなり、決断しやすくなる
  • 企業側は、複雑多様な状況が可視化されることにより、施策の立案・実行の上で、社内共通認識をつくりやすくなる
  • 企業側が顧客視点で考えるきっかけになる

4:カスタマージャーニーを作る上で必要なこと。ペルソナの作成

とはいえ、すぐにカスタマージャーニーに取り掛かれるのか?といえば、そうでもありません。カスタマージャーニー作るためには、まずはカスタマーが誰か?(ペルソナ)
を特定しなければなりません。つまりペルソナを作成する必要があるということです。

ペルソナは皆さんも日頃使っている言葉かと思いますが、
シンプルに言うと仮の人物像を作る作業です。

仮の人物像なんですが、まさに本当に実在する人物かのように、
性別、年齢、職業、住まい、趣味嗜好、家族構成、収入等を考えていきます。

「わかった、よしペルソナ作ろう!」と、すぐにペルソナ作りに取り掛かりたくなるのですが、その前段階で、まずは自分たちの現状データをクラスタリングする必要があります。クラスタリングについての大枠は前回をお話した内容をご確認ください。
[参考]CRMを運用する上で知っておきたい、クラスタリングについて

前回のお話を踏まえた上で、
クラスタリングからのペルソナ作成について、もう少し具体的にお伝えすると・・・

①自社でベストな顧客を決める

  • 仮に、購買情報を持っているのであれば、ロイヤルカスタマーを定義します。
  • 仮に、購買情報がないのであれば、WEBやリアルの行動ログから、企業側からアプローチしたらもっと行動が活発になるであろう顧客群を洗い出します。
※注意点
購買情報の履歴だけを単純に追っていくと、たくさん買っている人=ファン!としたくはなりますが、必ずしも企業のファンだから買っているという顧客だけでなく、製品・サービスが好きなだけで買い続けているパターンもあります。その場合は提供している中身さえ変わなければ引き続き購入してくれる可能性は高いと想像できます。
その方たちもロイヤルカスタマーであることは間違いありませんが、そういう顧客は、単純に買う以外の行動、例えば、サイトを回遊する、メールを見る、コンテンツを見る、シェアするなどの行動が発生しづらい可能性があり、企業側から施策でのアプローチが打ちづらい場合もあります。そのため、その場合はWEBやリアルの行動ログからより行動が活発になりそうな顧客群を洗い出すのをおすすめします。

②ベストな顧客の行動(イベントデータ)を可視化する。

③ベストな顧客の行動(イベントデータ)とそうでない顧客との差異とその差異のボリュームから、ベストな顧客以下を定義していきます。

①~③までのデータを可視化して、定点観測できるような状態にしておくと、
例えば、CMを打った後、この定点観測している各レベルの顧客のデータに変化があったのか?それはどのレベルの顧客にどういった変化を強くもたらしのか?等が把握できるようになります。こういった環境を構築していくことで、評価改善を行いやすくなり、よりよいPDCAサイクルが回るようになっていきます。
[参考]今改めて理解しておきたい、WebマーケティングにおけるPDCAとは?

crm_customer_journey_01

と、少し話が広がりましたので、一旦本題に戻ります。
※具体的な方法などは今後の記事で順次お伝えさせていただく予定です。

さて、
ペルソナを作る目的の一つとして、前段でも述べていますが、社内で共通認識を持てるようにする。ということがあります。

たくさんある道のどの道を進みましょうか?を決めることです。
10名位マーケティングに関わる担当者がいたとして、東西南北にばらばらの、10本進んでいい道を用意したとします。

担当者それぞれが好きな道を選んで、よーいドン!で進めた場合どうなるでしょうか?まったく違う方向に進んでしまっている場合、同じゴールにたどり着けない可能性が高まりますね。

とはいえ、
「ペルソナを絞ってしまっては、獲得できる顧客母数が減るのでは?」
というご心配もたまに伺います。

カスタマージャーニーを作成する上で、
分析からクラスタに分類された顧客群に対して、その人は一体どういう人?というペルソナを作成しますが、ペルソナはあくまでその人(一人の顧客)についてを作り込みます。

なぜそうしたほうがいいのか?ですが、
競合がいないビジネスであれば、ペルソナをその一人に絞る必要はあまりないかもしれません。とはいえ、およその企業や製品・サービスでは、競合が存在するのではないでしょうか?

仮に競合が似たような製品で、母数が多い顧客層に対して「〇〇なあなたにぴったりの●●!」と打ち出していたならばどうでしょう?

反対に、自分達は、
ペルソナを絞らずにすべての人に受け入れられようとしていたらどうでしょう?

自分に必要な商品はこれだ!と思ってもらえずに、世にある「顧客自身が自分のためのものだ!」と思える、似たような製品・サービスに興味関心を持っていかれて、自分たちはスルーされてしまう可能性が高まってしまいます。

勿論、その度合いはありますが、極端に申し上げると、
万人に受け入れられるような訴求は、実は誰にも刺さらないものしか出来上がらない可能性が高まってしまうという具合です。

自社理解を促し、ファンになっていただくということは、競合との差別化を図り、ユーザーに選んでもらうという作業を行っていくこととほぼ同義と言ってもいいのではないかと考えています。

crm_customer_journey_02

5:ペルソナとカスタマージャーニーと施策

例えばですが・・・

クラスタリングで、顧客ランクをA~Dまでランク付けたとします。
顧客レベルCが仮に下記であるとして、

【顧客レベルC】

◆属性データ
・男性
・30~40代
・所得中~高
・都内在住

◆行動データ
・1か月にサイトに5回以上流入
・メルマガ登録者(開封率70%)
・Facebookをフォロー(エンゲージメントも高い)
・カートへの遷移5回以上
・購入機会無し
・流入チャネル:自然検索、広告、SNS、リファラル(比較サイト)

として、下記のようなペルソナを作ります。

【ペルソナAさん】
年齢:35歳 未婚 都内在住(賃貸)
業界:人材系
職種:マネージャー
休日:休日は友人とキャンプしている、釣りも好き
平日:平日の夜は、友人たちや仕事で知り合った方と飲み歩いている(銀座、有楽町近辺)
行動:同世代に比べても可処分所得も多く、割と好きなものを気兼ねなく購入するが、即決というよりはリサーチを行い、なるべくお得に購入しようという傾向がある。
状況:最新情報を手に入れるために、Facebookをフォローしていて(割と高額ないいブランドなので、それをフォローしている自分もアピールの意味もある)、メルマガにも登録している。キャンプ用品の購入をもう1か月位悩んでいて、カートに入れては離脱するを繰り返している。

◆Aさんの購入までの経路
ファッション系の雑誌でキャンプ特集していて、そこに載っていた商品について検索して何度か見ていた。通勤途中にFacebookを見ていたら、たまたま以前から調べていたキャンプ用品の商品の広告を見た。広告からサイトに入って強めにスワイプしてざっと下まで見て内容をさらっと理解した。どうやら期間限定のキャンペーンが展開されていて、今なら一つ買うだけで、もう一つ同じ商品をもらえるらしい。とはいえ、まだまだ検討段階だったので、離脱して投稿に「いいね」だけしておいた。昼休みにメールが届いたので、確認すると先ほどのキャンペーン内容だった。キャンペーン対象は、そのサイトではじめて購入した人限定らしい。まだそのサイトで購入したことはないので、自分が対象であることを理解した。仕事後の夜の食事会を追えて終電に乗り、その帰宅途中に今度はその製品の比較サイトを見てメリット、デメリットなどの違いを確認する。家に帰ってベッドの中でくつろぎながら、違うサイトでのレビューを何件か見て、やっぱりあると便利だな+最安値も検索しておいたが、もう一つは無料でもらえるのを加味すると、結果的に最安値になったので購入を決断した。

◆Aさんに充てていた施策
実は・・・
顧客レベルCの属性データと行動データに近いターゲティングをFacebook広告で設定していて、一般的な通勤時間に強めの配信を設定していた。

メルマガ登録者の顧客が該当の広告を踏んでランディングページを踏んだタグが付くと、MAツール側で組んでいるキャンペーン詳細メールが配信される仕組みになっている。
そもそも顧客レベルCはメール開封率が高いデータがあるため、メール施策が効果的と判断している。

購入傾向顧客用に用意したキービジュアルにオファーを強調したページを作成し、メールや広告のランディング先に設定していた。
これにもそもそも勝算があり、過去、WEBサイトのABテストを実施していた結果によりもたらされたもので、数回サイトに入っていてカートまでに入れては戻ると迷っているユーザーに対しては、期間限定のオファーについての説明に触れさせると、購入に至る傾向が強いことが証明されていたので、それを活用した。

他にも、平日夜は飲み歩いてて、情報に触れるタイミングが少ないので、休日に向けて情報を配信するとか、そういった検索活動をおこなっているタイミングで情報を配信するべき等、施策ベースでは色々考えることができそうですね。

上記はあくまでひとつの例ですが、

現在では顧客が一つの情報に触れるタイミング、決定するタイミングが
時間や場所の制約を受けづらくなっている現状があります。

顧客の購買までの流れをとらえずに、
一つの瞬間だけ切り取って、その瞬間だけの改善だけに固執してしまうと、
点の成果だけを見てしまい、その前後に発生している顧客の態度変容や思考の移り変わりを理解せずに、施策を誤る可能性が高まります。

このように、顧客が情報を知ってから購買に至るまで、さらには定期購入や再購入に至るまでのプロセスを可視化するのがカスタマージャーニーとなります。

6:実際にカスタマージャーニーを作るには

上記はテキストで書いていますが、
実際のカスタマージャーニーのアウトプットは図式化です。

データからクラスタリングを行い、ペルソナを決定したら、
ペルソナの行動を認知→興味関心→比較検討→購入→シェアなどの各フェーズに分ける作業を行います。
フェーズを分けたら、そのフェーズ毎に接触する情報のタッチポイントを可視化します。
さらに、そのフェーズとタッチポイントの時点でのユーザーの思考・感情や想定される態度変容を記載していきます。これらの情報を洗い出したら、その時にどういうことを行うとより良くなるのか?施策として決定していきます。
以下は参考図となります。
crm_customer_journey_03

7:カスタマージャーニーを作った後で気を付けたいこと

カスタマージャーニーはある程度データ根拠や仮説に基づいて作成されるものですが、およそその時点で完璧なものを作れることはそうそうありません。

重要なのは、そのカスタマージャーニー上で対策を打った場合に、
想定通りの変化があらわれるのか?あらわれないのか?
あらわれないのであれば、それはどの部分がうまくいかずに成果に結びつかなかったのか?
を検証し改善していくことで、より精度の高いカスタマージャーニーマップへと進化させていくことです。

ここまでの記事でもこの部分を繰り返していますが、施策の結果を判断するためには、KGIだけを考えるのではなく、ユーザーの態度変容を測れるように、中間KPIを設計し、それらを計測できる状態にしておいた上で、施策の成果をしっかりと評価していくことが非常に重要となります。

まとめると

  • 顧客の行動が多様化しているので、顧客の購買プロセスを描いておく必要がある
  • 競合や他サービスの中から選んでもらうために、ペルソナはその人(ひとり)を想定して作り込む
  • 顧客のフェーズ(認知→興味関心→比較検討→購入→シェア等)とタッチポイント、その時の思考・感情を可視化して、施策を導き出す
  • カスタマージャーニーは作って終わりではなく、施策の結果態度変容したかどうかを追えるKPI設計と計測も重要になる

crm_custmer_journey_04

いかがでしたでしょうか?

今回は、カスタマージャーニーを作る上で気を付けておいた方がいいことにフォーカスした内容となっています。より具体的な作り方や詳細のアウトプットイメージはまた別の機会に書かせていただければと思っています。

次回は、カスタマージャーニーを作った後のCRMでの個別シナリオの作成についてお話させていただきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
またお時間あるときにご覧いただけますと幸いです!


石川 敬三
石川 敬三
株式会社UNCOVER TRUTH 代表取締役CEO

VOYAGE GROUP取締役、株式会社PeX 代表取締役などを歴任。その他アドネットワーク、比較サイト、辞書サイト等様々なBtoC・BtoB事業の立ち上げに従事。株式会社サイバーエージェントでは、広告営業を始め、大阪支社立ち上げ、メールマガジンサイトmelma等のBtoCサービスの事業責任者やEC事業の立ち上げ等に従事。


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