改善箇所を見つけ出す!Google Analyticsを使ったファネル分析の手順

こんにちは。UNCOVER TRUTHのアナリスト、井上です。
前々職では価格比較サイトのアナリスト担当、前職では化粧品口コミサイトのグロース担当に従事した後、UNCOVER TRUTHにジョインして数十社の分析を担当させていただいております。

先日、弊社執行役員の荒竹より「WebサイトのCVRを向上させる超具体的な“追う指標”の設定方法」という記事で、KPIを具体的に設定するフレームワークをお伝えしました。
目標となるKPIと、現状のKPIとのギャップが分かれば、あとは「どこを改善すべきか」を分析するフェーズです。

では早速Googleアナリティクスで分析開始!

「でもウチのサイトはページがいっぱいありすぎてどこから手を付ければいいか分からないよ…。」
「そもそもどの数字を見ればいいの…?セッション…?離脱…?」
「この『コンテンツ』って書いてあるところを見ればいいのかなあ…?」

目標が決まっても、こんな風に行き詰まったり迷ったりすることは、本当によくあることです。

そこで今回は、本当に見るべきデータにフォーカスし、改善箇所を効率的に決めるための手法として、「ファネル分析」についてご説明します!


目次


おさらい:改善箇所の優先順位をつける

Googleアナリティクスは非常に優秀なツールでありつつも、データのバリエーションが多すぎて何を見ればいいかよく分からないことがしばしば。
”指標”という概念だけでも「ページビュー数」「セッション数」「ユーザー数」「直帰数」「離脱数」etc...
指標をどういう切り口で分けるか、という”ディメンション”という概念だけでも「ページ」「ランディングページ」「ユーザータイプ」「デバイスカテゴリ」「国」「年齢」etc...
データの海に飲み込まれそうです…。

つまり、改善箇所を決めるためには、膨大にあるページやデータの中から「優先順位を決める」という工程が必要になります。
この「優先順位の決め方」を学べば、今後はデータの海に飲み込まれることなく、短時間で的を外さない分析ができるようになります!

前回の荒竹の記事をおさらいしますと、改善の優先順位を決めるには①インパクト、②意思決定ファネルの位置、③実現可能性 の3軸で考えるのがポイントです。もう少し具体的に言うと、

1. ユーザーのボリューム
2. 次のステップへの遷移率や経由CVR
3. ゴールまでの距離の近さ
4. 施策実行の容易さ

上記を考慮しながら、全体の目標KPIに対する影響度を把握して、優先順位に繋げていきます。
ここで大きな効力を発揮するのが、Googleアナリティクスを使ったサイトのファネル分析です。

通常「ファネル分析」というと、下記のような形を想起するかと思います。
逆ピラミッド型で、入口から出口までのプロセスの中で離脱する箇所を可視化するものです。
funnel_analytics_basis

しかし、Webサイトは単純なファネルのように1直線で繋がる導線とは限らず、多岐にわたっています。
入口はTOPから始まる人もいれば一覧ページから始まる人もいますし、詳細ページに行っても一度FAQにそれて疑問点を解消しに行く人もいます。

そこで、弊社では「ハイレベルサイトマップ」と呼ばれるサイト遷移図を描き、各ページのボリュームや2つのページ間の遷移率を当てはめて、最も改善すべき箇所はどこかを分析しています。

下記は、転職サイトの主要導線のダミーデータです。
funnel_analytics_kpi

このファネル分析は、先述した4つのコツを踏まえると

  1. ユーザーのボリューム: 案件詳細が最も多くの人に見られている
  2. 次のステップへの遷移率や経由CVR: 案件詳細からの遷移率も、各遷移の中で最も低い
  3. ゴールまでの距離の近さ: 案件詳細はCVポイントまであと3ステップのみと近い

あとは「4.施策実行の容易さ」についても実施内容によっては実行が容易であることが多いです。
例えば、求人の職種内容や給与面などの条件など、各情報の見せ方を変えたり、コンテンツを追加するなどは、A/BテストツールでHTMLの要素を変更、追加、削除するなどして簡単に実行できる範囲内です。

したがって、「案件詳細から次のステップへの遷移率を改善する」という意思決定が可能になります。

では、実際にファネル分析を行ってみましょう!

1. 全体の遷移図を描いてみる

まずは分析したいサイトの全体遷移図を描いてみます。
ファッションのECサイトを例に出してみます。

funnel_analytics_flow_map

TOPからCVまでの導線の中で、このサイトは大まかなくくりで言うと①TOP→②商品一覧→③商品詳細→④カート→⑤CVの5つで構成されています。
その他に、TOPから商品一覧を介さずに商品詳細まで直接遷移できるポイント、ショップページから商品一覧へと繋がる導線を考慮した図になっています。
また、カートからは、会員登録しているユーザーとそうでないユーザーとで遷移が変わる点も考慮しています。

遷移図作成のコツは「ページを細かく分け過ぎない」ことです。

例えば商品一覧ページで言いますと、ファッションECサイトであれば服のアイテムカテゴリごとに商品一覧が分かれているページが多いと思います。
しかし、膨大な数が存在する世の中のファッションアイテム…。全てを細かく分けて遷移図を作ることは現実的ではありません。
そこで、商品一覧ページと大まかにくくることで、全体のボリューム感を把握しやすくします。

2. Googleアナリティクスで分析する

各ページのセッション数を集計する

ファネル分析では、ボリューム感を把握するために各ページごとのセッション数を集計します。
ここで用いるGoogleアナリティクスの機能が各レポートの上部にある「アドバンスセグメント」です。

「ユーザー > 概要」を開き、上部にある「セグメントを追加」をクリックします。
funnel_analytics_session01

「新しいセグメント」をクリックします。
funnel_analytics_session02

すると、アドバンスセグメントの編集画面が表示され、データをセグメントするための様々な条件を設定することができます。
funnel_analytics_session03

今回は、TOPページのアドバンスセグメントを例にご説明します。
まずは①「条件」で②プルダウンを「ページ」に変更、③にセッション数が知りたいページを指定して、④セグメント名を入力、⑤保存をします。
funnel_analytics_session04

上記で作成したセグメントがレポートで適用され、この「ユーザー > 概要」レポートで表示されるセッション数が、TOPページのセッション数となります。
funnel_analytics_session05

あとは他のページも同じようにアドバンスセグメントで集計。遷移図の各箇所にセッション数を入れていきます。
funnel_analytics_session06

各ステップごとの遷移数を集計する

次に各ページ間の遷移数です。
こちらはアドバンスセグメントで言うと「シーケンス」を使います。
TOPページから一覧ページへの遷移数を例にご説明します。

①シーケンスを選び、②ステップ1、ステップ2のプルダウンで「ページ」を選択します。
③前のページであるTOPページのURLをステップ1に、後ろのページである一覧ページのURLはステップ2に入力します。
シーケンスの条件が指定できたら、④セグメント名を入力して⑤「保存」をクリックします。
funnel_analytics_flow01

保存すると、遷移セグメントがレポートで適用され、「ユーザー > 概要」レポートで表示されるセッション数が、TOPページから一覧ページへの遷移数となります。
funnel_analytics_flow02

他のステップの遷移数も同様の方法で集計し、前のページのセッション数を母数にして遷移率を計算したのが以下の図になります。
funnel_analytics_flow03

あとは先述した4つのポイントに当てはめると

  1. ユーザーのボリューム: 商品詳細が最も多くの人に見られている
  2. 次のステップへの遷移率や経由CVR: 商品詳細からカートへの遷移率が、各遷移の中で最も低い
  3. ゴールまでの距離の近さ: 商品詳細はCVポイントまで3ステップのみと近い

となり、4つめの「施策実行の容易さ」も問題なければ、「商品詳細からカートへの遷移率」が改善KPIとして優先度が高い、と結論づけることができます。

funnel_analytics_flow04

まとめ

昨今のデジタルマーケティングでは、Web上の行動ログからオフライン行動データまで、課題を発見したり施策に役立てたりできるデータは膨大に存在しています。
しかし、私たちが顧客に価値を提供するためにかけられる時間は有限で、全ての課題に対して手を打つことは難しいです。
そのため、ボリュームや課題感などを全体感から把握して、改善すべき箇所の優先順位を付けることで、効率的に効果を上げることができるのではないでしょうか。

上記を実現できる手法の1つとして、Googleアナリティクスのファネル分析は非常に効果です。
是非とも一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。


藤原 尚也
井上 清貴
株式会社UNCOVER TRUTH
アナリスト

新卒で入社したベンチャー企業で、社内初のWebアナリストとして旅行価格比較サイトの分析業務に従事。KPI設計、レポーティングの仕組み化、社内の解析体制の構築を経験。その後は(株)アイスタイルにて、口コミサイト「アットコスメ」の分析担当に。BigQueryなどのビッグデータ解析から、A/Bテストなどを用いたサイト改善まで担当。 現在は、UNCOVER TRUTHのアナリストとして数十社もの大手クライアントの分析・改善施策立案を担当している。


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