宣伝会議「インターネット・マーケティングフォーラム2018」にCOO小畑が登壇|イベントレポート

宣伝会議主催「インターネット・マーケティングフォーラム2018」のキーノートセッションにCOOの小畑が登壇し、「大手企業のデジタルトランスフォーメーションを支えるデータドリブンマーケティングとは~富士フイルムの事例に学ぶ~」というテーマでお話しいたしました。フォーラム全体のサブテーマは「Industry Innovation~新しいルールを作る人たち~」。狭義のデジタルマーケティングではなく、マーケターがデジタルの力を使って創造できる新たな価値について考えよう、というメッセージが込められています。

さて、今回一緒にご登壇いただいたのは、これまでも様々な場面でUNCOVER TRUTHとの取り組みについて発信してくださっている富士フイルム社のe戦略推進室マネージャー、一色昭典氏です。富士フイルム社という大企業でデジタルトランスフォーメーションを強力に推進している視点から、グローバルの動向や実際の取り組みなどに絡めながらデジタルマーケティングについてお話しいただきました。


デジタル化か、死か

デジタル化なしに企業の生き残りはありえない

最初のアジェンダは「富士フイルムが見た世界のDigitizeの潮流」です。これまで”富士フイルム一本”の道を歩まれてきた一色氏ですが、主力事業だった写真フィルム事業が2000年をピークにシュリンクし始め、近年では写真店の減少にともないユーザー接点がなくなっていくことに危機感を覚えていたといいます。そのような中、同社がデジタル化への意識を新たにしたポイントとして、2015年に開催された「World Marketing Summit Japan」での出来事を振り返りました。

強烈な印象として残ったのは、現代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー教授が掲げた 「Digitize or Die」 というメッセージ。デジタル化なしに企業の生き残りはありえないというこのメッセージを聞いて一色氏は「Change the Mindset, Remember Crisis - 写真フィルム事業がシュリンクしてしまった危機を想起して、マインドセットを変えよう」という、社内への啓蒙活動を始めたといいます。当時はまだデジタル化に踏み切れていない企業も多かった中、富士フイルム社はいち早くマインドセットを切り替え、デジタルトランスフォーメーションへと舵を切りました。


マーケティングでグローバル化と多角化した事業を統合

事業の多角化とグローバル化を、マーケティングという軸で統合

2つ目のアジェンダは「Digitizeに向けた富士フイルムの戦略と戦術」です。富士フイルム社はどのようにしてデジタル化を推し進めているのでしょうか。

一色氏はまず、ポートフォリオの変遷に触れながら現在の富士フイルムの姿について説明しました。写真事業やドキュメント事業、医療分野などにポートフォリを広げる同社ですが「全ては写真産業で培った技術力をコアコンピタンスとして成り立っている」と一色氏。例えば一見関係のなさそうな「アスタリフト」という化粧品も、ナノテクノロジーや抗酸化技術、写真フィルムに使用されるコラーゲンなど、関連技術の結晶です。

こうしたポートフォリオを日本からグローバルに展開しているのも同社の特徴で、現在は6割が日本以外の国における売上になっています。日本で成功したEコマース戦略をグローバルに展開する、というフォーマットの構築を進める一色氏は「このような 事業の多角化とグローバル化を統合・推進するのがマーケティングの力。技術力に自信があるだけにプロダクトアウトの発想になりがちだが、マーケティングという軸を通すことによって初めて売上につなげることができる 」と話しました。


チームビルディングの重要性

もっとも重要なのはチームビルディング

マーケティングの強化を支えるもう一つのポイントが組織作りです。一色氏も「一番大事にしているのが、チームビルディング」だと断言します。具体的には、富士フイルム社、広告のバイイングや運用を担当する富士フイルムビジネスエキスパート社、そして外部のパートナー企業の三位一体を意識していると説明。富士フイルム社では基本的に あらゆる機能のインハウス化 を目指していますが、 そのプロセスにおいては、各領域に特化した企業と組むことによってテクノロジーを取り込み、スピードと知見を担保する ことの重要性を強調しました。

今回のセッションでは、そのようなパートナー企業のうちの一社としてUNCOVER TRUTHをご紹介いただき、3つ目のアジェンダ「Digitizeの本質はユーザーインサイトの理解」に進みました。


フォトブックの事例

25%の改善が1億円のビジネスインパクトを生む

ここからは再び小畑も参加し、まずはいつもお伝えしている 「K・K・D=勘・経験・努力」によるマーケティング活動の危うさ を指摘。同じKKDでも今後は 「仮説・検証・データ分析」によるデータドリブンなマーケティングが重要 であると話し、富士フイルム社とUNCOVER TRUTHが取り組んだプロジェクトの内容をご紹介しました。

このプロジェクトのゴールは、写真アルバムをWebから注文できる「Photo Book」のサイトを改善し、CVRを向上させることです。フリーミアムモデルの「Photo Book」LPでは、読み物系コンテンツに続いてページ数や材質、サイズなどを選べるボタンがあります。改善前のページをヒートマップで分析すると「ページ中央帯の読み物系コンテンツに視線が集まっていない」「有料版へのマウスオーバーは多いものの、クリックされているのは無料版が多い」などの課題が浮かび上がりました。このことから分かるのは、せっかくの読み物系コンテンツが読み飛ばされているということ、そして多くのユーザーが有料版に興味を持ってくれているにも関わらず、最終的には無料版を選んでいるということです。これらの課題を「訴求する情報量不足」「迷いが生じている」「態度変容が不十分」といった要素に整理し、それぞれに対する改善施策を検討。それに基づいてUIを再設計した結果、CVRは125%に改善しました。

改善前後の図

富士フイルム社ほどの規模になると、この数字は年間で約1億円もの売上インパクトをもたらします。「このようなテクノロジーを導入する際に大事なのは、 データ(ヒートマップ)を見るだけで満足して終わらないこと。専門的な視点でデータを分析してくれるところまで含めて、外部のパートナー企業と組む価値がある 」と一色氏。 こうしたパートナー企業を巻き込みながら強力なチームを作り、デジタルトランスフォーメーションをいち早く進めていくことが事業成長に直結する と改めて強調し、セッションを締めくくりました。

UNCOVER TRUTHでは、今後もこのようなセミナーを通して積極的に成功事例を発信し、Webビジネスの成長やそれに向けた組織上の課題を抱えている企業・ご担当者様を支援してまいります。

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