三井住友カード様ご登壇 「顧客視点で成果の出るデジタル戦略」|UNCOVER TRUTHイベントレポート

金融総合専門紙「ニッキン」(日本金融通信社)が主催する国内最大の金融機関のためのITフェア、「FIT(Financial Information Technology)展」にCOOの小畑が登壇しました。FIT展は過去17回の開催で、のべ22万8千人以上の金融機関、金融機関関係者が参加し、出展社との商談や情報交換の場として活用されている伝統ある催しです。

金融実務とITソリューションが出会う展示会として高く評価され、今年は160社以上が様々な金融機関向けソリューションを提案する中、UNCOVER TRUTHもブース出展とセミナー主催を行いました。

顧客獲得単価が高く、広告費の投資対効果に限界を感じるといった課題に直面しやすい金融業界は、UNCOVER TRUTHが提供する「UXO(User Experience Optimization 顧客体験最適化)と非常に相性がいい業界の一つです。UNCOVER TRUTH は、広告等から流入した金融機関サイトでのユーザー体験を最適化することにより、CVR(成約率)を向上させ、Webにおけるビジネスの成果を最適化するご支援をしています。

今回のFIT展では、UNCOVER TRUTHが金融機関様にご提供できる価値をお伝えするとともに、CXを全社で推し進めている三井住友カード様にもご登壇いただき、「顧客視点で効果の出るデジタル戦略」についてお話ししました。

UNCOVER TRUTHのPDCAご支援

前半の小畑の講演では、冒頭でWebサイト改善のPDCAについてご説明しました。UNCOVER TRUTHはアクセス解析でサイトの全体像や伸ばすべき箇所を把握し、ヒートマップツール「USERDIVE」でサイトを訪れたユーザーの動きを明らかにした上で、施策の立案、ABテストなどの施策実行、振り返りまで「Webサイト改善のPDCA」を一気通貫で請け負っています。これまでUNCOVER TRUTHはWebサイト改善を通して業種業界問わず様々な企業様の事業成長のご支援をして参りましたが、ジョブローテーションによりデジタル人材の育成が難しい傾向にある金融機関様とのお取り組みも急激に増えてきています。


お客様に商品理解を促し、CVRも向上した横浜銀行様の事例

横浜銀行様ヒートマップ

UNCOVER TRUTHと金融クライアント企業さまの具体的な取り組みに内容について、まず横浜銀行様の事例をご紹介しました。横浜銀行様ではカードローンのページを対象として「カードローンの申込プロセスにおいて、Webサイト上でお客様が迷わず手続きを進めることができ、商品理解を深める」顧客満足度向上のためにUNCOVER TRUTHとお取り組みを進めました。
具体的には横浜銀行WebサイトのLPにおいて、ローン申し込みをしたユーザーと申し込みをしなかったユーザーのデータを取り、申し込みをしたユーザーがページ全体の中でどこに注目しているかを分析。その結果、ページ下部にある返済例や返済方法に関連するコンテンツに注目していることが明らかになりました。それに対して申し込みをしなかったユーザーは、金利一覧の情報を漠然と見ているという傾向、そして、ページ下部のコンテンツにはほとんど触れていないということが分かりました。

横浜銀行様の改善結果

ここから「現状のWebサイトでは借り入れのニーズがあるユーザーへ、必要な情報をきちんと届けられていないのではないか」という仮説が浮かび上がりました。そこで、よりユーザーに必要とされているコンテンツへの接触度を高め理解促進をしていただく施策を行い、結果としてお申し込みCVRも向上しました。


「CVを後押しする情報」まで到達してもらうためにサイト設計を見直した、マネックス証券様の事例

マネックス証券様ヒートマップ

次に、口座開設率の向上を目的としたマネックス証券様の事例をご紹介いたしました。ヒートマップを用いCVした人とCVしていない人の動きを切り分けて分析したところ、CVしていない人はページの下の方まで漠然とコンテンツを見ており、CVした人は逆に、ページの上部で意思決定しているということが見えてきました。そこで、CV貢献度が高いものをページの上の方に配置するという施策を繰り返したところ、スマホサイトでCVRが136.1%に向上、パソコンで113.6%に向上。ユーザーがスクロールするエリアは変わってないものの、触れて欲しい情報まで到達してもらえる配置に変更することによって、ユーザーが必要な情報にきちんとリーチできるようになったことが勝因でした。

マネックスWebサイト

ちなみにこの時、会社として予算を投じて制作した動画は、断腸の思いで削除。企業目線ではなくユーザー目線に立ったWebサイト設計を実現するために、感情を挟むことなく、データに基づいて施策を実行することの重要性が明確になった事例でした。


データからLPの資料請求率を改善した東京海上日動あんしん生命様の事例

あんしん生命Webサイト

続いては、東京海上日動あんしん生命様の保険LP(ランディグページ)の資料請求数の改善事例です。もともと東京海上日動あんしん生命様では一般向けのLPと女性向けのLPの2種類があり、一般向けのLPでは女性向けLPへのリンクも設置していました。一般向けLPを分析したところ「保険シミュレーション」を行うユーザーに占める女性の割合が想定より高いことが分かりました。きちんとシミュレーションをする、という行動自体が保険商材への関心の高さを表しており、CV貢献も高いコンテンツであるため、LPにおける女性向けの訴求を強化する施策を打ちました。具体的には「一般LPでページ内でタブを切り替えるだけで女性向けLPを見られるようにする」「女性プランとセットで資料請求できる申し込みボタンを追加する」というテストを行ったところ、資料請求のCVRが126%に向上しました。

これらの事例からは勘や経験に頼る仮説ではなく、ファクトによるアプローチがいかに重要か、ということが分かります。


会社目線からユーザー目線に変革を遂げた、三井住友カード様のWeb戦略

三井住友カード佐々木丈也氏

後半は、三井住友カード(以下、SMCC)統合マーケティング部長の佐々木丈也氏にもご登壇いただき、対談の形で同社のWeb戦略を深く堀り下げました。

現在ではCX(顧客体験)を軸にしたデジタル施策で大きな成果をあげられている佐々木氏ですが、業務でWebに注力し始めたのは5年前とのこと。現在、統合マーケティング部としては、様々な事業の中で、デジタルを活用してマーケティングの効果をいかに高めるかというミッションをお持ちです。

もともとは縦割りの文化が色濃かったという同社ですが「お客様の気持ちや行動に寄り添うことなしには、最終的に選ばれる企業にならないと気づき、会社全体でCXへの取り組みに注力し始めた」と佐々木氏。商品やサービスがコモディティ化する中で、きちんとお客様と向き合う重要性を感じ、お客様のデータを集めて活用するプラットフォームを整備し始めたのが今から3年ほど前だったと言います。

それまではWeb施策において会社が売りたいものを強調していくという傾向があったというSMCC様は、現在次のようなビジョンを掲げられています。

「お客様に寄り添い、先進的な取り組みを通じ決済をはじめとする様々なシーンにおいて心地よい瞬間をお届けする企業を目指す」

お客様に寄り添ったCXを構築するために、クレジットカード入会前〜入会後まで様々なタッチポイントでの顧客体験を最適化してきたSMCC様ですが、今回はカード入会時とFAQ接触時のお話をお聞かせいただきました。


カードの種類ごとに全く異なる、ユーザーの体験ストーリー

SMCC様訪問回数とCVR相関

SMCC様がUNCOVER TRUTHとWebサイト改善の取り組みを始められたのは、カード申し込みページのCVR向上からでした。

まず全体分析を行い入会サイトのCVRとサイトへの訪問回数の相関性を調べたところ、初回訪問から3回目以内でCVするユーザーが8割以上だということがわかりました。比較サイトや口コミサイトが充実している昨今、カードのサイトに訪れた時点でユーザーは「ある程度の情報を持っていて、最終確認をしに来た」「申し込みの意欲がある」という仮説を立てることができます。

SMCC様クラシックカードの改善図

その上で、USERDIVEでプロパーカードである「クラシックカード」の分析をしてみると、ユーザーはカードの基本情報やカードの特徴の詳細情報に注目していることがわかりました。つまり、最終確認をしに来た顧客が必要としている情報は、カードのより詳細な情報だということがわかったのです。しかしそれらのコンテンツはスクロールで見てみると全体の25%ほどのユーザーしか見ていないページ下部に配置されていました。これらの情報を元にデータに基づいて顧客の求めている情報を再配置し、この事例ではCVRが110.7%に向上しました。

また、初めてカードをもつ若い方向けのカード「デビュープラス」の事例では、会社が推したい情報とユーザーが求めている情報のギャップが顕著に現れました。当初このカードのLPでは「信頼のVISAブランド」「安心・安全」を訴求していましたが、分析してみるとこれらのコンテンツに対するユーザーの関心は低いということが分かりました。それに対して関心を集めていたのは「カード発行期間」のコンテンツです。この背景には、卒業旅行など明確な目的のもとに早くカードを作りたいと考える、若い方ならではのユーザー心理があるという仮説を立てました。仮説に基づいて発行期間を訴求する施策を展開した結果、CVRは120%に向上。企業目線での訴求でなく、顧客の心理に寄り添ったサイト設計をすることの重要性がよく分かる事例です。

SMCC様ABテスト

SMCC様ではこのような施策をスピーディーに何本も回しており、TOPページ、一覧ページ、カード詳細ページ全ての施策で成果をあげられています。

佐々木氏は、この結果について「顧客の期待値を超える体験の創出をWebでも実現するためには、顧客のインサイトをデータで徹底的に可視化すること、そして決断力と実行力の両輪でPDCAをいかに早く回せるかが重要。仮説立案に時間がかかってなかなかアクションに移らない、というのでは意味がなく、なるべく早くアクションに移してみて、うまくいかなくてもその反省を元に新しい施策を打つことで、最終的に成果を得られる」と、できるだけ多く”打席”に立つことの重要性を強調しました。


FAQで顧客サポートを実現する

SMCC様FAQサイト

今回はさらに「顧客体験を『FAQ』から改善する」というテーマで、特徴的なCXストーリーについてお聞きしました。

皆さまがカード会社に電話で問い合わせをする時のことをイメージしてみてください。電話をする前に、スマートフォンやPCで、問い合わせたいことの答えとなる情報を探そうとするのではないでしょうか?分からないことがあればWebで検索するという行動が当たり前になっている昨今、SMCC様では「Webで答えが見つかり、電話をしなくて済む」という状態が一番良い顧客体験と言えるのではないか、ということに着目しました。

もともとSMCC様では以前からWeb上にFAQページは配置していましたが、積極的な改善活動は行なっていませんでした。しかし上記の気づきに伴って2015年のWebサイト全面リニューアル時にFAQサイトも見直しを行い、その評価指標として2014年からNPS(推奨度を測る指標)調査も取り入れました。そして2016年から現在まで、お客様の声の集まるコールセンター部門とWeb部門で連携をとりながらFAQ改善活動をさらに拡大してきました。

講演ではFAQの改善ワークフレームとして以下の流れをご紹介しました。

  1. 「見つけてもらう」:ユーザーが問い合わせをしたい内容に該当するFAQにヒットするよう検索性をアップする
  2. 「見てもらう」:FAQの内容をきちんと見てもらえるように、視認性を アップする
  3. 「解決してもらう」:疑問を解決してもらえるように、回答のコンテンツを整備する。

1-3のポイントでそれぞれ設定したKPIは全て大幅に上回り、NPSもサイトリニューアル前の-4.8ptから、リニューアル後は3.6ptへと大幅にアップしました。FAQで顧客サポートを実現するというこの取り組みでは「かかってくる電話の量が減ることにより、コストも減る」という副次的な効果もあったと言います。

ここまで、ユーザー行動データに基づいたWebサイト改善の重要性をお伝えしてきましたが、「お客様の生の声を取得することも大切」と佐々木氏。Webサイトの状況を知ることができるアクセス解析ツール、定性的なデータを定量的に測ることができる「USERDIVE」、そこにお客様の生の声を掛け合わせることによって、顧客の気持ちに寄り添う一貫したコミュニケーション設計が実現します。

SMCC様データドリブンマーケティング

「お客様の変化に企業が対応しないと選ばれる対象にならない。決済の生涯のパートナーとして、顧客のLTVを最大化するというのが大きなテーマ」と話し、講演を締めくくりました。

UNCOVER TRUTHでは、今後もこのようなセミナーを通して積極的に成功事例を発信し、Webビジネスの成長やそれに向けた組織上の課題を抱えている企業・ご担当者様を支援してまいります。

■関連サービス
ヒートマップツール「USERDIVE」
Webサイト改善「改善PDCAアウトソーシング」

お問い合わせはこちらから

同一カテゴリの関連記事